ベルリン映画博物館で感じたこと
いつも私がベルリンで映画を見に行く場所が、ポツダム広場。以前も書きましたが、ベルリン市内で唯一ドイツ語吹き替えをしていない、オリジナル作品が見られる映画館がこのポツダム広場のソニーセンター内にあるからです。詳しくは『ベルリンの映画事情』をご覧ください。
そのソニーセンターの一角に、ベルリン映画博物館があります。この博物館は主にドイツ映画の歴史、ドイツテレビの歴史と二つの大きな軸に分けて、最先端の斬新な展示方法で分かりやすく見せています。
私は映画のエリアを中心に見て廻ったのですが、じっくり観るとかなりの時間を要するほど内容の濃いものばかりが展示されています。

無声映画時代から現代までのドイツ映画史を詳しく知ることが出来る上、名作ドイツ映画の脚本や当時の撮影道具、女優たちのコスチュームなど充実した展示物が目を引きます。

博物館内は撮影禁止なので、写真でお見せできないのが残念ですが、とりわけ注目したいのが、ドイツ初のトーキー映画『嘆きの天使』(1930年)において、そのセクシーな容姿と深みのある温かい歌声で世界中に愛された、マレーネ・ディートリヒ(Marlene Dietrich)の遺品の数々!!
ディートリヒの展示室前には以下の文章が記されていました。
『Her roles, her songs and her outfits breathe provocation.
Marlene Dietrich's appearances in men's clothing on the screen or at social
events deftly overstep the limits of traditional gender roles.
She is admired by men and women alike, and becomes an ICON of the century.』

この写真からも一目瞭然。時代を考えると、彼女の着る衣装はこれまでの伝統的なジェンダーをはるかに超えています。男女問わず多くの人が彼女に魅了され、賞賛し世紀のアイコンになっていきます。、その事がよく分かるような展示品の数々。フィルムコスチュームももちろん興味深かったのですが、私が一番印象に残った展示品が、『ブラックドール』と『チャイニーズドール』です。『ブラックドール』は、文字通り黒人を模したような人形。『チャイニーズ・ドール』はどこか金太郎のような風貌で、大き目の笠を被っています。これらの人形は、彼女の大切なマスコットとして、いつも旅行に一緒に連れて行ったそうで、彼女の映画にも観ることが出来るとのこと。
『嘆きの天使』(1930) 『モロッコ』(1930) 『間諜X27』(1931) 『上海特急』(1932) の作品中に出てくるらしいので、もう一度あの人形がどの辺に登場するのかも観察しながらゆっくり鑑賞してみよう!!と、新たなトリビアを発見して一人浮かれ気分でした。

そのほか、ディートリヒが母に宛てた手紙も展示されていて、胸に詰まるものを感じました。反ナチスを叫び続けて決して時代に屈しなかった強いイメージの彼女。故郷を離れ、アメリカで市民権を獲得し世界中から注目され、愛され、時代のセレブリティだったディートリヒも、母の前では普通の娘であり、母を想い、心配し、自分はあなたの娘だから大丈夫だと書き綴る。あの手紙を見たとき、遥か時代を越え、国境を越え、彼女の人柄に少しだけ触れることが出来たような気がしました。
百聞は一見にしかず。ベルリンを訪れる機会があれば、是非一度映画博物館に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?







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