みなさん、ご無沙汰しています。ベルリンに引っ越して1週間が経ちました。最近は取材の一環でお天気のいい日にあちこちベルリンの街を散策しています。ベルリンが舞台になった映画のロケ地を廻り、その空気を感じに行っているんです。手には地図とカメラを持ってキョロキョロ・キョロキョロ・・・。

今は主に『ベルリン・天使の詩 』(1987)、 『ラン・ローラ・ラン』(1998)、『グッバイ、レーニン!』(2002)、『善き人のためのソナタ』(2006)そして『クリスチーネ・F』(1981)などの舞台となっているエリアを探索中です。ベルリンは戦争という暗い過去をけして忘れない街。そして、その過去を背負いながら、そこから新しい文化が生まれている街でもあります。この街を舞台にしている映画は、歴史的背景を深く勉強しなければ分からない、語れない作品ばかりです。また、この国やベルリンが持つ問題を多く含んでいるので、毎日勉強の日々です。
学生の頃は歴史に興味が薄く、“授業中も遠い世界で昔起こったこと”、くらいの意識で単にテストのために勉強をしていましたが、今は知りたいこと、学びたいことが沢山あります。あの頃、もっとちゃんと勉強しとくんだったな。
さて、それぞれの映画の詳しいレビューや取材内容については個々に記事をUPしていきますが、今日はちょこっとだけ写真と共にご紹介しますね。
こちらが↓ブランデンブルク門の近くで見つけた『ラン・ローラ・ラン』の壁画。映画の中で、ローラはフリードリヒ通りやベーレン通りあたりを、こんな風に赤い髪の毛を振り乱し、今にもはだけそうなキャミソールのようなランニングシャツを着て駆け回っています。

こちら↓は『善き人のためのソナタ』のエンディングで、主人公が店の前を通りかかり本を買うシーンで登場する“カール・マルクス書店”の跡。実は2008年に移転してしまったようで、今は違うお店になっていました。このカール・マルクス大通りには巨大なアパート群が連なり、旧東ベルリンの姿をそのまま保存した場所になっています。行きかう人も少ない中、この建物の前に立つと、不思議なほど抑圧された空気を感じずにはいられません。社会主義国家の理想がこの巨大な建物なのだとしたら、ここに漂うもの悲しさと閑散とした空気は、紛れも無い現実。メトロから地上に出た瞬間に、一帯が時代錯誤を感じる場所です。

そして、こちら↓は、『ベルリン・天使の詩 』の冒頭シーンに登場する“カイザー・ヴィルヘルム教会(左)と鐘楼(右)”。白黒映画の中で、ひときわ目を引いた個性的な建物のシーン、一度見たら忘れられませんでした。白黒映像の影響なのか、この街の闇を表現しているようにも見えるその重々しい建物の正体を、作品を観ている時は分かりませんでした。
ベルリンで実物を目の前にした時、思わず息を呑んだのを憶えています。1943年11月23日、連合軍の爆破によってこの教会は一夜にして廃墟になりました。今も爆撃の生々しい傷跡がこの教会には刻まれていて、戦争への警告碑として保存されています。

そしてこちらが、↓同作『ベルリン・天使の詩 』で天使の棲家として描かれていた“国立図書館”。実際に中に入ってみましたが、入り口付近にはソファーもいくつか並んでいて、静寂の中サンドイッチを頬張っている人もいました。閲覧室へは図書館カードがないと入ることが出来ないようですが、映画のシーンを思い起こしながら同じ空間で同じ静寂に包まれることに意味があると感じました。

今後は、それぞれの映画のレビューと絡めながら、実際に映画の舞台となった土地に立ち、匂いを嗅ぎ、この目で見て、触って、感じたことを綴っていくつもりです。取材に時間がかかりそうですが、随時UPしていくつもりですので、気長にお待ちください。
またドイツ映画に限らず、今後ヨーロッパの色々な国を訪れて、その土地に関連した作品も取り上げていきたいと思います。今後もお付き合い頂ければ嬉しいです♪
2010年4月1日
土屋晴乃
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