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2007年12月21日 (金)

『ハーフェズ ペルシャの詩』麻生久美子&アボルファズル・ジャリリ監督

“何度も見たくなるフィーリングムービー”麻生久美子&アボルファズル・ジャリリ監督

出席者:麻生久美子、アボルファズル・ジャリリ監督

麻生久美子&アボルファズル・ジャリリ監督

映画ファンのミューズ麻生久美子、遂に世界進出!イランの鬼才アボルファズル・ジャリリ監督の5年越しのラブコールに応えて出演した『ハーフェズ ペルシャの詩』は、イラン版「ロミオとジュリエット」といえる美しい愛の神話。詩人ハーフェズと禁断の恋に落ちる女性を演じた麻生久美子さんとジャリリ監督にお話をお聞きしました。

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麻生さん、本作に出演されたきっかけは?

■麻生久美子(以下、麻生)「8年ぐらい前、海外の映画祭でジャリリ監督が『カンゾー先生』をご覧になり、その後来日した時に私に会いたいと。それで初めてお会いして、いつか一緒に映画を撮りたいとおっしゃられて、“もう是非!”という感じでした。それから5年ぐらい経って、お話が来ました。“やっと来た!!!”って、とても喜びました」

『ハーフェズ ペルシャの詩』

ジャリリ監督は『カンゾー先生』を見て、麻生さんのどこに魅力を感じたのでしょうか?

■アボルファズル・ジャリリ監督(以下、ジャリリ監督)「今村昌平監督の作品を初めて見たのですが、冒頭から物凄い力を感じました。役者の演技もみんな良かったです。『カンゾー先生』の頃、麻生さんは17か18歳ぐらいだったと思います。私は10代の若者を使って映画を撮ることが多かったので、麻生さんの演技は凄いなと思いました。特に槍で鯨を刺すシーンが印象に残っています」


麻生さん、ベタ褒めですよ

■麻生「本当に嬉しいです」

そんなジャリリ監督の下、イランで撮影された『ハーフェズ ペルシャの詩』の現場は如何でしたか?

■麻生「1ヶ月ほどイランに滞在したのですが、撮影は15日間ぐらい...でしたよね?」

■ジャリリ監督「17日間ぐらいかな。私の現場はノープランなので、麻生さんに限らず誰もどのぐらい撮影したのかわからないのです。自分ですらわからないですから。ハハハハハハッ」


ハハハハハッ...特殊ですがやり難さとかはありませんでしたか?

■麻生「むしろ全部新鮮で面白かったですよ。適当と言ったら言葉は悪いですが、その適当な感じが自分には心地よかったです。明日には始まりますというのが3日、4日続くんです。“今日の撮影は無くなりました”という電話が毎朝かかってきた時は、おかしくて笑ってしまいました」


慣れないイランの地、しかも特殊な撮影スタイルということで、ジャリリ監督は麻生さんに何かアドバイスをされたのでしょうか?

■ジャリリ監督「私はいつも素人を使って映画を撮ってきたので、素人にはいろいろ言いますが、役者にはあまり説明しません。麻生さんはとてもIQが高いようで、イラン人に説明しているにも関わらず、何故かその説明を理解していて、こちらが何も言わなくてもキチンとこなしていました」


麻生さんのセリフはペルシャ語、アラビア語でしたが、やはり習得は大変でしたか?

■麻生「大変といえば大変でした。やはり違う国の言葉はそう簡単に習得できるものではないので、完全に覚えるのは無理だろうと思いました。ですが、少しでも耳を慣らすために、日本にいる時からイラン映画を見たり、ペルシャ語のCDを聴いたりしました。あと、自分がしゃべるセリフはカタカナに書いたりして覚えました」

『ハーフェズ ペルシャの詩』

イスラム教の信仰や文化は日本人にはあまり馴染みがない部分もあると思うのですが、勉強はされましたか?

■麻生「自分なりに勉強はしましたが、難しいところもたくさんありました。いくら本を買って読んでも、言葉同様そう簡単に理解できるものではないですね。でも知ろうとする努力はしました」


海外でも上映される作品ですが、ジャリリ監督は文化の伝わり方に関して、何か配慮された点はありますか?

■ジャリリ監督「自分は地球人だと思っているので、あまりどこの国、どこの文化という区別はありません。映画を使って自国の文化や気持ちを伝えようという意識はありません」


なるほど。では麻生さんは本作を見てなにを感じましたか?

■麻生「正直に言いますが、最初に見た時は難しいと思いました。出来上がった作品は、頂いた脚本とは違う流れになっていたので、その戸惑いもあって難しいと感じたのだと思います。ですが、もう一度見直したら、すんなりと自分の心に入ってきて、純粋に面白いと感じました。たくさん出てくる詩がとても美しくて、体の中にどんどん入ってきて心地よかったです。綺麗な詩を体内で浄化させた感じでしょうか。何度でも見たくなる作品です」


ジャリリ監督、これから作品を見る方々に鑑賞時のアドバイスはありますか?

■ジャリリ監督「最近、説明過多の映画が多すぎると思います。総てが決められていて、1+1は必ず2なのです。でもイランには“1+1=2は誰が決めたのか?”という考えがあります。私は思いつくままに歌っていることが多いのですが、自分でも何について歌っているのか良くわかっていません。私の映画も同じで、一瞬の思いつきを映像化しています。ですからあまり難しく考える必要はありません。ハハハハハハハッ」


わからなかったらわからないままで良いと!
では、麻生さん最後に本作に出演して良かったことはなんですか?

■麻生「イランが大好きになれたことです。それが一番私にとって大きかったことです」

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<麻生久美子 プロフィール>
1978年千葉県出身。98年今村昌平監督の『カンゾー先生』のヒロインに抜擢されて、一躍注目を浴びる。
以降、数々の映画に出演し、日本映画界に欠かせない女優となっている。2007年は『どろろ』、『夕凪の街 桜の国』、『怪談』などに出演した。『夕凪の街 桜の国』で第32回報知映画賞・主演女優賞。

忘れられない花のいろ
『忘れられない花のいろ 麻生久美子のペルシャ紀行』
麻生久美子、吉村未来、竹内裕二(写真)著
A5並製 128ページ・オールカラー ISBN978-4-86020-259-0
好評発売中 1680円










<アボルファズル・ジャリリ監督 プロフィール>
1957年イラン出身。87年少年院の子供たちを出演させた『かさぶた』で注目されるが、過酷な状況下の子供たちを描く作風が常に論争を巻き起こす。92年の『ダンス・オブ・ダスト』は国内外を問わず上映禁止となる(98年に解禁)。
99年のオムニバス映画『キシュ島の物語』(第二話「指輪」)、01年の『少年と砂漠のカフェ』等、国際映画祭で高い評価を受けている映画監督。

『ハーフェズ ペルシャの詩』
公開日:2008年01月19日
劇場情報:東京都写真美術館にて
配給会社:ビターズ・エンド
オフィシャルサイト:http://www.bitters.co.jp/hafez/

取材・文:伊藤P

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