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2008年1月28日 (月)

『音符と昆布』 初日舞台挨拶

かりんは家族を得たので、妹のももちゃんに支えられながら生きていくんだと思います。

日時:2008年1月26日
場所:シネマート六本木
出席者:井上春生(監督・脚本)、池脇千鶴、市川由衣、石川伸一郎、CHIX CHICKS(チックス チックス/音楽)


『音符と昆布』 初日舞台挨拶


古びた大きな木造の一軒家に、作曲家の父親と二人で暮らしている小暮もも。だが父親は仕事で家をあけることが多く、ももはいつも一人ぼっちだった。ある日、そんな彼女の前に、存在すら知らされていなかった姉のかりんが現れる。しかも彼女は、アスペルガー症候群というハンディを持っていたのだった…。
映像と音楽で綴る新しいエンターテイメント、“cinemusica”シリーズ第4弾として製作された『音符と昆布』。その公開初日に、姉妹を演じた池脇千鶴さん、市川由衣さんらキャストが舞台あいさつをおこなった。

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まずは井上春生監督に、この作品がどういう映画なのかお聞きしたいのですが。

■監督:「この映画はある姉妹の物語ですが、普通はお姉さんが生真面目で、妹は姉の羽の下で無邪気に遊んでいる、というのが一般的なイメージだと思うんですね。今回はその設定をあえて逆にして、楽しんでみました。
人間の気持ちは『冬の時代』を迎えることもあって、その中でも癒える悲しみと癒えない悲しみがあると思うんです。この映画は、癒えない悲しみを抱えて長い冬の時代を送っていた女の子が、それまで存在すら知らなかったお姉ちゃんと出会って、姉妹でケナゲに生きていこうとする作品ですが、編集している時に自分でもグっと来る時がありましたね。しんどかったけれど、キャストの皆さんも本当に素晴らしくて、作っていて楽しかった作品です」


その姉妹役を演じられた池脇千鶴さんと市川由衣さんは、とても自然に役になりきっていましたね。役作りについて教えてください。
『音符と昆布』 初日舞台挨拶■池脇千鶴(以下、池脇):「(自然だったと言われて)とても嬉しいですが、台本の通りに演じただけなので、本がとても良かったんだと思います。私が演じたのはちょっと特殊な姉だったので、全部の調整をしてくれたのは、妹のももちゃんを演じた(市川)由衣ちゃんだったと思います」

■市川由衣(以下、市川):「台本をいただいて、お姉さんを池脇さんが演じると聞いた時点で、すごく撮影を楽しみにしていました。ももちゃんの芝居は、本当に(姉役の演技の)受け身の芝居なので、お姉ちゃんがどういうふうに来るのか楽しみでした。本当にかわいいお姉ちゃんで・・・個人的には、すごく嬉しかったです(笑)。でも今回の役柄は、とても難しかったですね」


妹・ももちゃんの恋人役を演じた石川伸一郎さん、撮影はいかがでしたか?

■石川伸一郎(以下、石川):「池脇さんが『台本がすごく良かった』と話されていましたが、本当に今回は台本からいただくものがすごく多かったし、ロケセットや衣装で自然と役に入っていける部分が大きかったので、やりやすかったです。セットは本当に住みたいくらいの、良い出来でしたね。
今回、ボクと同年代のスタッフが多くて、すっかり仲良くなりました。クライマックスシーンの準備で、頭を抱えていた美術さんと一緒に「どうしたらいいんだろう」と考えたり・・・。そういう経験が、印象に残っていますね。本当に映画を楽しんだ現場でした」

■監督:「彼は撮影後、スタッフとロケを行っていた家に泊まったんです。・・・ノミやダニが出て大変だったんじゃないかな(笑)。
墨田区にある廃屋寸前の物件だったんですけど、「壁を抜いていいですか?」と所有者に聞いたら絶句されまして・・・。結局「いいでしょ?」と押しきって、壁をぶちぬいてセットを作ったんですけど(笑)、おかげでハウスダストもすごくてね。撮影後にうがいすると、吐き出した水が真っ黒になったほどです。
ロケ場所は一軒家でしたが、実は隣が『嫌われ松子の一生』で、松子が最後に住んでいた設定のアパートだったんですね。・・・映画製作者が考えることは同じなんですね(笑)」

■池脇:「確かにあのセットは、住みたくなるような素敵な部屋でしたが、すごく暑かったんですよ。撮影は6月でしたが、本当に日差しが強かったので真夏のように暑くって。メイクをしている途中で汗がダラダラ垂れてしまうほどで、それが大変でしたね」


今回、妹のももちゃんがフードコーディネーターという設定なので、料理シーンも多かったですね。アイロンで調理する場面がありましたが・・・?

■監督:「学生時代や貧乏している時代に、料理した小鍋から器に移さないでラーメンを食べたりした経験が、皆さんにもあるんじゃないかと思うんですけど、そのノリで「アイロンで料理」をやってみました。
アイロン調理は結構実験しまして・・・。おかげで家に1・2台、使用不可になったアイロンが眠っています。穴から中に(卵焼きの)たまごが入っていっちゃうんですよね(笑)」


『音符と昆布』 初日舞台挨拶本作は姉妹が一緒に生きていこう、と一歩を踏み出すところで終わっていますが、この後、池脇さんが演じたお姉さんはどうやって生きていくと思いますか?

■池脇:「(姉の)かりんは、これからも毎日いろんなものにドキドキと新鮮さを感じながら生きていくんでしょうね。でもこれからは家族を得たので、妹のももちゃんに支えられながら生きていくんだと思います。
・・・素敵なお父さん(宇崎竜童)もいるけれど、お父さんは(仕事で)外国に行ってばかりだからなぁ(笑)。でも宇崎さんの演じるお父さんは器が大きくて、どしんと構えていてくれたので、現場でも自由にやらせていただけました。温かいお父さんでしたね」


妹のももちゃんを演じた市川さんが好きなシーンはどこですか?

■市川:「ももが洗顔するシーンがあるんですけれど、そこはももが姉のかりんの気持ちを受け入れるシーンで、私は台本を読んだ時から、そのシーンが大好きでした。難しかったけれど、監督とよく相談しながら演じました。映画の中でも、一番好きなシーンですね」


石川さんが一番好きなシーンは、どこですか?

■石川:「ボクはすべてのシーンを、気に入っていますね。現場では、共演者との化学反応が起こっているような感じがあって、その場の雰囲気でどんどん芝居が変わっていきました。「どのシーンが一番」というのは、決められないですね」


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『音符と昆布』
配給:エピックレコードジャパン
公開:2008年1月26日
劇場情報:シネマート六本木ほか全国にて順次公開
公式HP:http://www.onkon.jp/

(C)音符と昆布 製作委員会


あらすじ
嗅覚のないフードコーディネーター小暮ももは、古びた大きな木造の一軒家に作曲家の父親と二人で暮らしている。父親は多忙で家をあけることが多く、ももはいつも一人ぼっち。そんなももの下に、姉と名乗る女性が突然現れた。しかもその姉・かりんは、普通の人と様子がちょっと違う。アスペルガー症候群の姉と失われた時間を取り戻す中で、それぞれが何かを見つけていく…。

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■プロフィール
『音符と昆布』 初日舞台挨拶市川由衣
1986年2月10日生まれ。東京都出身。1999年、ナムコ主催のオーディションにてグランプリを獲得。『呪霊 THE MOVIE』(03)でスクリーンで主役デビュー。その後も『サイレン ~FORBIDDEN SIREN~』『ラフ ROUGH』に出演。公開待機作品に『映画 クロサギ』


『音符と昆布』 初日舞台挨拶池脇千鶴
1981年11月21日生まれ。大阪府出身。1997年、リハウスガールオーディションにてデビュー。1997年『大阪物語』で 第73回キネマ旬報新人女優賞などを受賞。主な出演作に『猫の恩返し』『ジョゼと虎と魚たち』『ストロベリーショートケイクス』『ピアノの森』。公開待機作品に『犬と私の10の約束』


取材・文:谷藤さおり

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